スキルアップ

理念ベース経営の基礎力
 ・理念ベースの経営を掲げ、理想的な経営を目指すなら、それ相応の「仕事能力」が必要です。
 ・足元の、実務を処理する能力が伴うことで、成果を出していくことができるからです。
 ・理想を掲げている会社や組織は、このことをよく理解し、仕事能力の向上に邁進していかなくてはなりません。
・では、どうすれば仕事能力を上げることができるでしょうか。
・「要領よく、手っ取り早く、しかも効果的に仕事能力を上げる」には、どうすればよいでしょうか。
・そのためには、仕事能力を上げるポイントを押さえる必要があります。
・即効で、仕事ができるようになるポイントを次項に紹介します。

スキルアップ ーー 第1のポイント:要点を押さえる
・では、どのような人が「仕事ができる人」なのでしょうか。
・仕事が早い。
・期限・約束を守る。
・困難と思うことをやり遂げる。
・仕事の付加価値が高い・・・
・「仕事ができる」ことについて考えてみると、思いつくことはさまざまにあります。
    
・では、どうして仕事が早くできるのでしょう?
・どうして、期限や約束を守れるのでしょうか?
・どうして、困難と思われることをやり遂げることができるのでしょうか?

・何か秘訣があるのでは?
・それがわかれば、自分も「できる人」になれるんじゃないか・・・
・少なくとも、ヒントくらいはつかめるはず。

・そう。仕事ができる人には共通のポイントがあります。
・それは、「要点を押さえる力がある」ということです。
・要点を押さえるというのは、「何が、仕事の重要なポイントであるかがわかる」ということです。
・何が重要なのかがわかれば、その重要な点について仕事を進めていけば、 成果を出すことができるのです。

スキルアップ ーー 第2のポイント:自分が処理できるレベルにまで小さく切る
・与えられた仕事が「難しい」、「できない」と思ったことはないでしょうか?
・どうして、その仕事が「難しい」、あるいは「できない」と思ったのでしょうか?
・それは、その仕事に「どう取り組めばよいかがわからなかったから」ではないですか?

・人は直感的に、「仕事ができる」とか、「できない」とか、感じ取ります。
・「できない」と感じた仕事は、「自分が処理できるレベルを超えていた」からです。
・だから、難しいと感じたのです。

・難しいと言っても、やってみればできることはあります。
・取り組み始めてみれば、「ああ、できるのではないか」という感触を得ることもあります。
・たとえば、テストの問題でも「難しいなあ」と思うことがあったでしょう。
・そういう問題であっても、どうやって解けばいいかさえわかれば解けます。
・また、解き方はわからなくても、やっていくうちに解けるようになるということもあります。

・仕事も同じです。
・与えられた仕事は、テストの問題を解くのと同じと考えることができます。
・ただ、仕事はテストの問題と違います。
・テストは問題を解くために作られ、ただ一つの答えが用意されています。
・数学の問題なら、限られた時間の中で解ける問題が出されているという前提があります。
・しかし、仕事は時間的制約が決まっていないし、決まりきった答えがありません。
・しかも、「どれだけの大きさなのかわからない」というところに課題があります。

・前提が違うのであれば、違うなりに、取り組み方、考え方を変えればよいのです。
・では、どう変えればよいでしょうか。
・それは、大きな仕事であるのならば、小さく切ればよいのです。
・仕事にも大きさがあるということに気づけば、切ることができます。

・ステーキを食べるときに、皿に乗った肉をそのまま食べる人はいません。
・必ず、切ります。
・では、どのくらいに切るでしょうか?
・自分が食べられる、一口サイズの大きさに切りますよね。

・仕事も同じです。
・自分が処理できる、一口サイズの大きさに切らなければ、処理ができないのです。
・だから、逆に言えば、仕事ができるためには、仕事を自分ができるサイズに切らなくてはならないのです。
・「仕事ができる人」は、どんな問題であっても、自分ができるサイズに仕事を切っているのです。
・このポイントをつかんでいる人が、「仕事ができる人」と言われるのです。

スキルアップ ーー 第3のポイント:上流・下流2段先までの配慮・関心を持つ
・仕事をしていて、他の人の仕事の進め具合で困ったことはなかったでしょうか。
・仕事を渡した次の人がその仕事を止めてしまって、仕事が終わっていない。
・こういうことはなかったでしょうか。

・仕事は、「自分がやったら終わり」というわけではありません。
・自分が人に渡した仕事は、その人が処理して、さらに次の人に渡します。
・その途中で、仕事を受け取った人が止めてしまったら、仕事はそこで止まってしまいます。

・「仕事を止めたのはその人の責任だ」と言うのは簡単です。
・しかし、仕事が終わらなければ、回り回って、その責任は自分に降りかかってきます。
・だからこそ、「自分が渡した仕事が処理されたかどうか」を気にかけることが大変重要なのです。

・この気配りがあるかどうかが、仕事の成果に影響を及ぼします。
  ・つまり、自分の渡した相手、そしてその次の相手にまで
「仕事が届いているかを見届けること」が大切なのです。

・「仕事は、いつも突然やってくる」と思っている方も多いでしょう。
・確かに、自分の目の前には突然のように現れます。
・実は、仕事が発生するには発生するだけの理由があるのです。
・上司や他部署の人が依頼してくるのは、その原因があります。

・仕事が発生する原因で一番多いのは、役員会などの重要な会議が行われた後です。
・社長から役員に指示が出ます。
・次に、役員の指示を受けて、仕事が自分のところに降りてきます。
・これらは一例ですが、上司から指示される仕事のほとんどは、
さらに上の上司から発信されていることが多いのです。
・このことを知っていると、仕事が急に降ってきたと感じなくても済みます。
・仕事に振り回されるという感覚はなくなります。
・つまり、自分から見て、上司とさらにその上司の動向をつかんでおけば、仕事に対する構えができます。

・この、上下2段にわたって目配りができることが、仕事を確実に進める秘訣です。

スキルアップ ーー 第4のポイント:報告も大切な仕事
・仕事ができる人とそうではない人で、その差が端的に表れるのが報告のしかたです。
・仕事の基本は報・連・相と言うが、そもそも何が報告で、何が連絡で、
    何が相談かもわからない人がいるかもしれません。
・簡潔に言うと、報告は今の状況や情報を知らせることです。
・連絡はコンタクトすることです。
・相談はどうすればよいか聞くことです。
・ここでは、一番重要な報告について取り上げます。

・報告と一口に言っても実はレベルがあります。
・報告というと、「報告する/報告しない」、あるいは、
   報告の「うまい/下手」を考えるかもしれません。
・実際には、仕事レベルで考えると、報告には大きく4つのレベルがあります。

・報告で一番レベルが低いのは、「どうなっている?と聞かないと報告しない」ことです。
・どうして、「どうなっている?」と聞かないと報告しないことが一番レベルが低いのでしょうか。
・それは、自発性がないからです。
・自分から報告しようとする姿勢がありません。
 ・受け身なのです。これでは仕事のレベルが高くないと言われてもしょうがありません。

・報告の2番目のレベルは、期限が過ぎてから報告することです。
・期限が過ぎたということは、時期を逸したということです。
・これはある意味、火事が起きてしまったあとの後始末となります。
・報告を受けたほうは、「なぜ、今になって…」と思ってしまいます。
・「なぜ、もっと早く言ってくれなかったのか」と。
・報告する人の立場からすると、都合の悪いことは報告しづらいのでしょう。
・そういうことでしょう。
・要は「配慮が足りない」のです。

・報告の3番目のレベルは、自発的に報告することです。
・上司からみると、業務の進捗状況や、起きていることについて
   自発的に報告してくれるというのは大変助かります。
・なぜ助かるかと言うと、上司としては、一つひとつの案件に対して、
  「あれはどうなっているかな?」と気を配らなくても済むからです。
・一般的には、この状態があたりまえのように言われ、
   最初の2つのレベルは問題外とすることが多いのです。
・現実には、最初の2つのレベルをやっている人が少なからずいるのも事実です。
・その事実を知った上で、報告にもレベルがあるということを理解しておくことが大切です。
・知っていれば、自分自身が仕事をする上でも使えるし、
   部下を指導するにあたっても、具体的に指導することができます。

・報告の4番目のレベルは、重要なポイントにおいて、的確に報告することです。
・「重要なポイントにおいて、的確に報告する」とはどういうことでしょうか。
・これは、「行動の分岐点にさしかかったときに報告する」ということです。
・行動の分岐点とは、「重要な判断ポイント」だということです。
・分岐点では、判断を間違えると、時間がかかったり、コストがかかったり、
   取り返しがつかなくなったりします。
・その時に、何が起きているかを的確に報告してくれると、
   方向修正をかけて正しい方向に導くことができます。
・もし報告がなければ、何が起きているのかがわからないから、
   改善の手立てを打つことはできません。
・その意味において、重要なポイントにおいて、的確に報告してくれるのは大変助かるのです。

・結局、仕事の内容の出来、不出来は確かにあります。
・しかし、その結果がいかなる内容であったとしても、報告は必要です。
・その報告の仕方にもレベルがあるのです。
・だからこそ、報告そのものも、「一つの仕事だ」ということです。
・報告が、上司にとって非常に重要なものである以上、
  「報告そのものが大切な仕事である」ということを自覚しなければなりません。
・「報告することは自分の勝手」ではなくて、「報告も大切な仕事なのだ」ということです。
・だから、「報告」が、よい仕事をなすための出発点であるのです。

スキルアップ ーー 第5のポイント:発生業務メモ
・やるべき仕事が発生したら、忘れないうちにすぐ書き留めます。
・ 抜けもれなく、仕事リストになるように簡単にメモします。

スキルアップ ーー 第6のポイント:相手の期待にすぐ応える
・仕事ができるポイントは、相手の期待を超えることです。
・頼まれた仕事はすぐ対処してください。
・それだけで周りからの評価が変わってきます。

スキルアップ ーー 第7のポイント:先手先手、トラブル未然防止
・トラブルが最もムダに時間を消費します。
・それゆえに、トラブルの未然防止は、時間創出の決定打になります。
・トラブルを引き起こす発生原因に対して効果的に手を打ち、
    確実にトラブルを未然防止していきます。

上記のポイントを押さえて仕事をすれば、自分自身が「仕事ができる」と実感できるだけではなく、
周りの人から「仕事ができる人」と言われるようになります。