1 売り込まない姿勢 誰もが営業で売上を上げたい、成功したいと思っています。 そうであるならば、そのための方法があるとすれば、それを身につけたほうがよいでしょう。 具体的に、一番良い方法は何かというと、「売り込まない」という姿勢を持つことです。 「営業をやっているのに、売り込まないとはどういうことだ」と思う方もおられると思います。 逆に、営業のプロになっている方からすれば、その通りだとうなずいてくださる方も多いでしょう。 では、なぜ売り込まないほうが、営業成績がよくなるのか。 それについて話してみます。 2 売り込まれると逃げたくなる あなたは、売り込まれたいですか。 「押し売り」という言葉がありますが、「これを買って下さい」といって、近寄ってくる人が周りにいたら、あなたはどうされますか。 逃げたくなるのではないでしょうか。 そうなのです。人は売り込まれたくないのです。 それは、営業をしているあなた自身もそうでしょう。 だったら、営業では売り込まないほうがよいのではないでしょうか。 3 相手の話をよく聞く では、「どうやって売ればよいのか」と思うでしょう。 それは、売り込まないのだけれども、「相手の話をよく聞く」ということです。 まずは、「相手が何を求めているか」をよく聞くことです。 人は不思議なもので、自分の話はしたい人が多いのですが、人から話を聞かされるのは好まない方が多いのです。 そうであれば、営業をやっているあなた自身も、自分のことを話すのではなく、「相手の話をよく聞いてあげればよい」のです。 営業でよい成績を上げたいと思うなら、意識革命として、まずは「売り込まない」という姿勢を持つことをお勧めします。 4 見込み客を探す秘訣 「売り込まない」といっても、何もしなかったら、売上は上がりません。 だから、見込み客は探さないといけません。 世の中にはいろいろな営業スタイルがあるわけですが、決まった取引先から注文を頂く御用営業のほか、まったく見知らぬ人から注文を頂く営業など、いろいろあります。 その中でも難しいのは、それまで見知らぬ人から注文を頂く営業スタイルでしょう。 こういうスタイルの営業にたけている人は、自分を「印象付ける」といいます。 「違和感を残す」とも言います。 「普通の人とは違う行動を取る」ということです。 たとえば、コーヒーショップに行くのに、コーヒーではなく、いつも紅茶を頼む。 とんかつ屋に行くのに、いつもとんかつではない揚げ物を頼む。 その行動を変えないわけです。 そうすると、他の人と違う行動を取っているため、相手の印象に残るといったわけです。 このように、他の人との違うことをして、相手に興味を抱かせ、話しかけてもらうというやり方をしている人もいます。 別のやり方としては、「接点を探す」というのも効果的です。 私がよく聞いていたのは、「どちらの出身ですか」ということです。 このように、出身地が近いとか、同じ県出身だとか、似たような業界出身だとか、お互いに共通する接点を探して、そこから話を広げていくというのも一つの方法です。 5 接する態度 相手と会ったら、やらなくてはいけないのは売ることではありません。 そうではなく、相手の話をよく聞くことです。 相手が何に興味を持っているのか。どんなことをしてきたのか。 どんなことを考えているのか。悩みがあるのか、とか。 相手の話したいことをしてもらうことが大切です。 そのためには、上手に質問してあげないといけません。 たとえば、入社してうれしかったのはどういう時ですか。 入社して大変だったのはどういう時ですか。 本当はどうしたいと思っていますか。 こういう質問をすると、相手は自分が思っていることを話してくれます。 この時のポイントは、「相手が話したいことを聞いてあげる」こと。 当たり前ですが、聞かれたくないことを質問しないことです。 6 話す人のほうが気分がよくなる ある方を紹介され、話を伺う機会があったのですが、その方は自分のことを話し続けました。 2時間ほど経って、相手が言ったのは「今日はいい話が聞けてよかった。これからもよろしくお願いします」でした。 私のほうは1割も話していません。 相手のほうが9割がた話していたにもかかわらずです。 相手の方からすると、自分が気持ちよく話ができるのは、相手がよい人に見えるのですね。 上手に質問を投げかけて、相手が抱えている問題に気づかせてあげればよいのです。 どうすればよいかがわからなければ、「助けてほしい」と言ってくれるでしょう。 だから、営業マンは商品を売るのが仕事というよりも、営業マンが売るのは「自分」だという人もいるくらいです。 商品が役に立つのは間違いないですが、「この営業マンは役に立つ」と思っていただくことが営業の仕事のポイントになります。 7 上を目指す 営業として商品を売るにしても、いろいろな売り方、売り先があります。 商品の特性がありますから、様々ですが、できれば、アッパー層への移行を目指すのがよいでしょう。 たとえば、電気機器やサービスなどでも、一般消費者が買うものだったり、経営者が買うものだったりする場合もあります。 そういう場合、できるだけアッパー層へ近づければ単価も高くなります。 もちろん、アッパー層へと行くにあったっては、気を付けるべきこともあります。 それは、そういう層にふさわしい自分であることです。 いろいろな考え方がありますが、相手のレベルに合わせることです。 たとえば、身なりを整えることに重きを置いている人が相手なら、自分もそれなりの身なりにしておくのがよいです。 身なりは関心がない技術的な方にとっては、身なりよりも技術的な視点での考えを持っておくことです。 8 意識を高く持つ どちらにも言えることですが、アッパー層の方というのは、それなりに考え方もアッパーです。 そうであれば、自分自身の考え方そのものもアッパー層に近いものにすることです。 たとえば、なんのために今の仕事をしているのか。 ゆくゆくはどのようにしたいのか。なぜそう思うのか。 そういった、考え方の背景、それを深く深く見つめ、自分の考え方を整理しておきますと、そういった考え方、 姿勢というものが言葉や行動の端々に表れて、相手の方に関心を持っていただくことにもつながります。 そうして、だんだんと思い描く層とのつながりができたりするようになるでしょう。
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